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今​、​あ​の​夜​の​燐​光​は

by CHAPPY a.k.a WADAPON

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1.
暁闇 03:03
verse 1 絶望の旋転を風の中に感じた 微かに狂い始めた三半規管  運命を受け止める用意はないと判断した だがそこで朽ちた人間を散々見た 闇の中に溶ける雨 盲人の吸う煙草の煙が消ていく前の僅かな揺れ 居なくなった猫の歩む先で欠けた昨日 書きかけの日記と針が飛んだレコード 絵画のように静止したイメージの中にしか 幸せが存在しないと そこで気付いた 目的の追加を繰り返した結果 前へ進んだと見せかける  これはぜんまい仕掛けか こぼれ落ちる雫の一滴 現前する敵を睥睨する零時  まぁいいさ 自分を騙すのに失敗したとして 他人がその事にどうやって気付ける? HOOK)空白を背にして 彼は家を出る 濃い闇が僅かに 朝の予感を孕む 静寂の訪れは夜明け前と落日に 波乱の予感を前にして一杯の珈琲 相似を成す絶望を抱く二人の魂 孤独の共有は可能なのかと言う問い 彼女に出会うのはもう少し先 今はまだ静かな時 verse 2 欠乏と劣勢を雨の中に感じた 微かに揺らぎ始めた 足元の規範 偶然も運命も受け止めず 足が止まった だが歩みを止めてなお 道は続いていた 闇の中に吹く風 眠る男の空想の中 で紡がれる 悲しい映像の断片 現れた蛇を 見て去ることを 決めた今日  確かめよう 視線に合わせ移動する傷を 幸せは決まった形があるみたいだ それに合わせた 己の変容が必要だ 潰した肉片から 漂う失望感 崩れてもなお自己欺瞞が必要さ 誰もが誰かの消費の為の労働力 経済の殴打の前に 削がれていく意欲 自分で自分の悲劇を慰み者  にしていると知られたらさぞ恥ずかしかろう 都市の無数の光の点滅を遠景に 消える音の中で吐いた言葉の是非 HOOK)無意味と出会う為 彼女は家に帰る 赤い夕焼けが色彩を失っていく 静寂の訪れは夜明け前と落日に 波乱の予感を前にして一杯の珈琲 相似を成す欠落を抱く二人の魂 孤独の共有は可能なのかと言う問い 彼に出会うのはもう少し先 今はまだ静かな時
2.
02:30
3.
夜の凪 04:06
verse 1 やがて放飼となる 時刻を迎え 鎖を解かれる 互い違いな他人の群れ その間を擦り抜ける 優しく湿った風 透明な頬を撫でる 儚い記憶と夢 あの日から 上がりから 続けている双六 大事なマス見えた時避けていく都合よく 新鮮さは失うが 増えていく備忘録 今心に深く 絡み付いた紐を解く 走ろうが歩こうが 立ち止まろうが  それは長い逃走劇の 一幕でしか無いさ 最初の一歩を踏み出したのはいつだったか? それは果たして 不幸な瞬間だったと言えるか? 無聊な人波で烟る バス停のロータリー 無表情な瞳の奥で索敵と老獪 この不協和音と軋轢の正体 今分化する自己との隔壁と後退 HOOK 人の流れの中で風がふい止まる (些細な感情は闇に溶け消え去る 歪な街並みには 灯りが点る) 人の流れの中で風が不意に止まる (目を閉じても 世界はそこにある 希望か絶望か定義すら拒む) verse 2 最後に心から 後悔した瞬間 それが思い出せないくらい昔にあるのなら 満ち足りた生活の最中にいるのか それとも価値ある選択を避けたままいるのか リズムを刻むこの生活に破綻は無い 電話をかけ 電車に乗り 皿を洗い ドアノブに手をかけるその一瞬の間に 耐えがたい空虚に襲われ 手から滑り落ちた鍵 全てはあるべき形に収まっていく 望むか望まぬかを汲み取ることはなく ビルの谷間から覗く美しい夕焼け 人々の織りなすどこか醜いその影 やがて夜空の濃い青と黒の交わりが 豊潤な過去をこの目の中に光らせるが 自分にとって大切だった何かが すり替わったことには 気づかないまま HOOK 人の流れの中で風がふい止まる (些細な感情は闇に溶け消え去る 歪な街並みには灯りが点る) 人の流れの中で風が不意に止まる (目を閉じても世界はただそこにある 希望か絶望か定義すら拒む) verse 3 幸運の終焉をひとまず鼻で笑い あとが無くなった時そこで何を捧げるかい? 深く考える必要のある問題 ほど 軽くあしらってきた そしてタイムマシンは来ない レースから降りても気になるゴールした順位 売り飛ばすべきだった自尊心 の皹を隠し 未来の自分に今日一日の意味を託し 選択肢を選び取る権利 がまだあると錯視 休日にこそ現実と対峙する 駅のホーム で今皆何を待っている? 苦痛はそれが続いている時間ではなく、間のふとした空白で 人を挫く
4.
猫に 03:47
”2020” 歪であることは醜さを意味しない だが恥じるべき過去 全ては俺次第 収斂した未来 としての今この現在から 過去の広がりを測り 儚い色の後悔 二度とは訪れない惑星の遠日点 忌み嫌う この日々こそが現実で 座席指定で都市を回遊する流線 二度とは見れない同じ窓からの風景 今日はめでたい席 スーツはスリーピース やつれて分からない 2人がそこにいる 何年かぶりに座る隣同士  控えめの乾杯のぎこちない揺らぎ でも君から話しかけてくれたのは あの日と変わらない 言葉に詰まり笑い 改札の前 喉から出かかった言葉  飲み込み 解けた 靴紐に気付いた HOOK)記憶にこびりつく あの日のひだまり 光に透ける 指先から漏れる煙 穏やかにまどろむ その猫みたいに 君の腕の中に いれるのならば 言葉は要らない 言葉は難しい ただ今は君の隣に座っていたい 優しさを湛えた 君の横顔に 俺は言葉をなくして目線を外した ”2013” 横浜 アンダーグラウンド 誰も知らない世界で戦う 濁った 海面と青空の狭間で油の匂いが 酒浸りで飛ぶ意識は毎回の事 最早望めない君との再会を思う 久々の友達からの着信に 気付かない振りをして 回す車のエンジンキー 助手席に放り投げた携帯電話 光るディスプレイの上からジャケットを被せた 多くのものを失った と感じるが さらに多くのものがこれから消え去る アルコールで飲み干すエチゾラム 遠のく意識の中で回る無人のメリーゴーランド 大事なのは君だったのか それとも君が象徴していた 日々だったのか??  HOOK)記憶にこびりつく あの日のひだまり 光に透ける 指先から漏れる煙 穏やかにまどろむ その猫みたいに 君の腕の中に いれるのならば 言葉は要らない 言葉は難しい ただ今は君の隣に座っていたい 失うことが明らかになる前に 消してしまおう君の写る写真 ”2009” 階段を降りてくる君を初めて見た日 大きな窓から注ぐ曇り空の光 不意に話しかけられて 立ち止まる 俺は心を奪われた ことにすら気づかず 童話の先に想いを巡らす子供みたいだ 心躍る予感に 寄せた期待感 喫茶店で向かい合って座った 同時に笑い出す前に訪れた一瞬の間 皆疲れて眠る 夕方の高速バス 片目を開ければ空の色が濃さを増す ipodからFUNKY DLのビート 自分だけの言葉をこの胸に描くと 流れていく風景が夜に呑まれ 幾度も思い出す君の美しい名前 自分の背中を押すのは自分しかいなくて 明日二枚のチケットをポケットに忍ばせる HOOK)記憶にこびりつく あの日のひだまり 光に透ける指先から漏れる煙 穏やかにまどろむ その猫みたいに 君の腕の中にいれるのならば 言葉は要らない 言葉は難しい ただ今は君の隣に座っていたい 変わらないものなど存在しない から形だけには思いを込めたい  
5.
6.
瞬く 04:31
1)不甲斐ない 俺が見た空は晴れていた 君がもたらすであろう現実に比べたら 今までの人生はただのフィクションだ 遠くに揺らぐのは希望の立像だろうか 散らばった白紙のジグソーパズルには やがて描かれる 家族の肖像画 俺はだらしなく 老いていくトムソーヤ いつか聞かせるさ 思い出と少しの冒険団 慌ただしく流れる連日の喧騒は 戻ることのできない唯一の螺旋階段 認めたくはない自分をついぞ認めるか 絶望と共に次のページをめくるか 消えた信用を担保に大切なものを借りる 少しずつだが それを君に返す 俺の悪足掻きなんて君は笑ってくれよ 思いつかなかった 君に似て欲しい所 hook)人を愛するのに資格は必要か? 少なくとも覚悟は必要だろうな 俺は君に会うまでの少しの間 回らない 頭で考えてたんだ 才能が無くてもかじりつかなきゃ この人生は一度きりしかないからさ 希望は不思議な光を 放ちながら 俺の目の前で瞬く 2)ここから前は今この先は将来 そんな線引きは どこにも存在しない 持っていたものは無くすか落とす為体 だが未来がある以上希望もそこにあるはず 煽った薬と酒 緊迫の数分間 滲む脂汗 悪寒 よぎる救急車 騒ぎが静まった 散らかった部屋 ふらついた頭でこのビートを鳴らした 窓の外は美しく 脆く酷い世界 君を守るために築く最小単位の社会 グラフやデータには現れない希望 強くあってくれ未来を悲観して嘆く日も オーバードーズで ひどく喉が乾く 明け方まで浅い眠りを繰り返す これ俺から君へのラブレター ありがとう こんな俺のとこに来てくれて hook)人を愛するのに資格は必要か? 少なくとも覚悟は必要だろうな 俺は君に会うまでのあと少しの間 回らない 頭で考えてたんだ 才能が無くても かじりつかなきゃ この人生は一度きりしかないからさ 希望は不思議な光を 放ちながら 俺の目の前で瞬く 3)君に今の記憶が残るとしたら 何を言えば良いかな そんな歳になったか やりたいことが見つかればラッキーだな でも探し過ぎて自分を失うほど迷うな たまたま手に入ったものなんかが 一生好きなものになるってことがあるから 普通が何かを考えすぎて 塞ぎ込むな その時によっていくらでも変わるから 世界は自分が思う一つだけじゃないよ 辛くなったら立ち止まって軽く伸びをしよう 大切な人が見つかったならば花束を 国籍年齢性別なんて小さい事 見せる背中なんて無いさこんな俺には でも、君を幸せにするために今 戻ってきたんだよ今

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released February 27, 2021

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CHAPPY a.k.a WADAPON Tokyo, Japan

毎年春の終わりが近づく頃に、ミスター・リーの家、植民地時代に建てられた石造りの二階家から眺めると、薄紅色の桜の花びらが丘の下の海に向かって舞い落ちていった。青い海は花びらたちの夢だった。海はそれほど遠くはなかったが、花びらが海に落ちることは珍しくな かった。春にも後ろ姿があるのなら、きっとこんな姿ではないだろうか。

キム・ヨンス 「笑っているような、泣いているような、アレックス、アレックス」より

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